スウェーデンの春 草花 食べれる野草
4月1日
帰国から2日が経ったが未だに時差ぼけに悩まされている。4月に入り、日が暖かく、夜7時ごろまで外は明るい。春になると鳥が一斉に鳴き始め、春の花が咲き乱れ始める。これがライオンと魔女の長い冬が明け春がやって来た場面を彷彿とさせる。
写真1、2 春の草花
2月の終わりから春が近づくにつれ、様々な春の草花が咲き始める。まるで暖かい日々へのカウントダウンのようで心が踊る。そして4月に入るとRamslök (ラムソン)という森ニンニクの芽が林床から顔を出す。このラムソンがニラにそっくりな味で、採取して料理に使うことができる。去年はキムチ風の漬物を作り長期間保存していた。
写真3 ラムソンの生える林床
写真4 ラムソンの漬物
コペンハーゲンから東京へ 飛行機 北極回り 入国管理
3月31日
以前の日記から間が空いてしまった。というのも一時帰国などで少し忙しくしていたのだ。2週間程日本に滞在し、つい昨日スウェーデンに戻ってきた。帰りの便はロシアの件もあり、当初予定していたフィンエアーは帰りの便のみキャンセルされた為、カタール航空の使用となった。
写真2 晴れて眺めの良いヘルシンキ空港
日本入国に必要な書類の整理は中々大変だった。何せPCRの陰性証明に1万円近くかかる。自分はマルメのMedicinska Intygで発行して貰った。日本入国に必要な陰性証明には一定のフォーマットがある為、サンプリング前にその点を伝えなければいけない。サンプリングから12時間以内にスウェーデンと日本のフォーマットの陰性証明が別々に送られてきた。
3月15日コペンハーゲン発ヘルシンキ経由で北極上空を通って東京成田に到着。フィンエアーは風の調子次第で、トルコ方面まで南下する南回りか北極を通る北回りの運行をしていた。自分は北回りと分かった為、13時間の長い飛行にも関わらず中々楽しむことができた。ヘルシンキを出発した飛行機はフィンランドとスウェーデンの国境辺りのラップランド、そしてノルウェー本土の最北端、スバルバード上空を飛行し遂に北極点へ!不時着したら死ぬんだなと思いつつもホッキョクグマ探し。自分の飛行日は天候に恵まれた為、常に地上を見ることができた。ノルウェーの最北端雪が地上を多いとても人が住めるような雰囲気ではなかったが、それでも一定の人が住んでいて、高い生活の質を保っているのは驚きだ。自分の飛行機は夕方発だったため、北極圏に入る頃にはすでに地平線が明るく、真っ暗な空を見ることはなかった。もし夜中発の飛行機で真冬であればスカンディナヴィア半島の北方でオーロラが見れたのかもしれない。残念。
写真4 スカンディナビア半島最北端上空
写真5 フィンエアー機内食 Disposableなデザインに凝っている
写真6 北極点マップ上
写真7 北極点上空
成田に着いた後はPCRテストを受け、結果待ちをする必要があった。今はファストトラックというアプリに必要書類を全て登録しておけば、書類を全て見せる必要はなくなっていた。それでも何重ものチェックがあり、PCRテストの結果が出るまで2から3時間はかかり、乗り継ぎのある方々にはとても厳しい。
一方スウェーデン(デンマーク)入国する際、コロナ関係で質問されることはなかった。これからどこに泊まるのか何しにデンマークに来たのかのみ質問され、スウェーデンのビザを見せたら問題なく入国完了。コペンハーゲン空港からマルメ駅までは100kr(1400円)で行け、チケットはSkånetrafikanのアプリか空港の交通切符売り場で購入可能。そしてデンマークからスウェーデン入国で身分証を見せることはなかった。
北欧で日本食 農業 里山
2月11日
最近は自家製の生ハムを食べている。2ヶ月冷蔵庫に放置した結果、水分が60%まで減少したためほぼ安全だ。日本で食べれる大体のものはスウェーデンでも作ることが可能である。スウェーデンの卵は一定の処理が施されていて、卵かけご飯も出来る。ただ、ICAなど大手のスーパーマーケットで売っているお米はタイ産が多く、輸送エネルギーなどを考えると少し躊躇する。
先週は冷凍のビンチョウマグロを買って、ネギトロ丼を作った。冷凍のマグロやサーモン、ホタテはどこのスーパーでも売っている。そして驚いたことに、スウェーデンのオンラインの酵母などを扱う会社が納豆菌を売ってる。これを買って毎日納豆を食べて自分は幸せになる。
しかし、麹も納豆もそうだが、保温温度が40から50℃なのが少々難しい。実験室にポリマー生成用の保温機があるが、納豆の匂いを充満させる訳にはいかない。納豆を選ぶか、減給を選ぶか。
ここ南スウェーデンでは春の兆しを感じ取れる。早春の花が地面から顔を覗かしている。11、12、1月を除けば、ここスコーネ地方の気候は素晴らしい。殺風景な農地が多い所為で風が強いが、将来農業方法の変化で強風が改善されることを祈っている。と言うのはAgroforestlyという所謂混植の究極系の研究がヨーロッパで盛んに行われている。多くの方は冗談か趣味程度の規模だと想像するかもしれないが、工業化する前のスタイルに戻ると考えるとわかりやすい。日本の里山は景観の多様性から特異な二次生態系を保有していた。機械化が進むと大型機械が複雑な農地に進出し辛い事から、農地の単一化が進む。しかし大型機械を使いながらも区画整備を計画段階からしっかりする事で景観多様性と生産効率を最大化する。自分が死ぬ前にこのような方法がより一般化して欲しい。
北欧スウェーデン スモーランド 田舎 無音
1月16日
先週の日曜日から体調を崩していた。治るまでにまる1週間かかるとは。盛り塩してたのに。
家で仕事する以外特に余り出来ることがなかったので、近くの森を徘徊していた。その森は森林学部の演習林なのだが、中々な多様な動物がいる。哺乳類だと、うさぎ、ハリネズミ、アカリスなど、鳥類は中々種類が多い。一昨日は幸運なことにアオゲラを目撃した。ちょっとした森にキツツキ類がいるのも面白いと思う。
この時期になると晴れた日に若干春の気配を感じることがある。冬至を過ぎて日が長くなってきているからか、今にも鳥類の元気な鳴き声が聞こえてきそうな日和だ。実際まだまだ冬真っ只中なのだが。しかし真冬といってもここ南スウェーデンは他の地域と比べるととても暖かい。街の中心の運河まで凍ってしまい、人々がスケートを楽しめるのは年に一回あるかないかである。これが北へほんの1時間上がると肌で感じれるほどの温度変化がある。先週冬季休業中にOsbyというsmålandとの境に位置する町に行ってきた。今まで自分はストックホルムやヨーデポリなどの大きな都市に行ってきたが、余り田舎には足を運んだことがなかった為、スウェーデンで童話に出てくるような地方に行ったのは今回で初めてだった。smålandは長靴下のピッピの著者やIKEAの創業者、また以前アメリカに渡った多くの移民の出生地である。そしてカルマルという一番大きな都市は、北欧の歴史においてとても重要な場所だ。今回のsmåland近辺への旅は今までスウェーデンにいた中で間違いなく一番だった。日々人や物事に揉まれながら生きていると忘れがちだか、自然に囲まれた無音の空間というのは一番の贅沢だと思う。今どこに行こうと車や人の音がする。鳥の鳴き声しかせず音でどのような生き物が居るのかわかる環境というのは、特に関東の都市圏は尚更、中々見つけられない。Osby駅から少し歩いて林道に進むとそこは普段住むマルメとは別の世界だった。時々森の中に見かける家々も伝統的な赤の塗装がされた木でできていてとても可愛らしい。少し歩いた場所にあった丘を登り切ると、彼方まで続くsmålandの森を一望できた。もちろん外気温を氷点下であったが、その景色を眺めて食べる昼ごはんはとても美味しく感じた。
スウェーデンとデンマークの国際通勤
スウェーデン南部の街マルメとデンマークのコペンハーゲンの間には一本の橋があり、
電車やバスで1時間以内に行き来することが可能。
同じ数字の給料を貰った場合、デンマークで受け取った場合スウェーデンで貰える額より高くなる場合が多い(納税をスウェーデンで行う)ため、スウェーデンに住みながらデンマークで働く通勤する方が多い。
実際に以下のサイトではデンマーク在住の方、スウェーデン在住の方に向けて、各国での職探しサイトや就職までの流れを詳しく説明している。
残念ながら日本国籍の方の場合少し複雑で、就労許可をもらった国に原則居住する必要がある。
しかしながら、今現在デンマークかスウェーデンに在住でもう片方の国から仕事のオファーをもらった場合、特別な労働許可を貰うことも可能である。
スウェーデンでの資産運用 投資
北欧といえば高い税金を思い浮かべる方が多いと思うが、資産運用に関してISKアカウントという面白い制度がある。
ISKアカウントとは簡単に言うと日本で言うNISAの様なもので、キャピタルゲインに課税されない。
また日本のNISAと違い年120万円などの上限が設定されていないのも特徴。
ISKアカウントの保有可能な数も設定されていなく、幾つかのオンライン会社で口座開設が可能。(日本で例えばSBI証券でNISA口座を作った場合楽天証券など他の会社での口座開設は不可)
事実上二つの会社Avanza とNordnet をほとんどの方が使用している。
しかしトレーディングのプラットフォームはどちらの会社も優れているとは言えず、投資信託がメイン、又は他のプラットフォームを分析に使用するのがベストだと思う。
↓ISK口座情報
bjärred散策 淡水魚
2021年1月3日
結局忙しさから2021年の終わりに日記を書くことは出来なかった。前回から色々な物事は起きているので順番に書いていこうと思う。
冬季休暇に入り、自分はスコーネ地方のクリスマス交通チケットを購入した。価格は332SEK程で約2週間スコーネ内の公共交通機関を使い放題。冬で寒いのでビーチなどは行かないが、マイナーな町などを散策していた。つい一昨日行ったBjärredという町は、元来保養地として出来た小さなボンボンの町で、海岸から一キロほど離れた海の真ん中にサウナとレストランを有する建物がある。海の上にある訳なので、そこまで木造の海上渡り廊下の上を歩いて渡る。木材も大分古く、人が良く踏み歩く部分に体重をのせると木材がキーキーと音を立てる。縁や手摺りは淡い緑の地衣類が覆っており、よくあるUKやNZの港を思い出す。ただ大きく異なるのは、ここÖresund straitの水深は随分と浅く、大量の白鳥が首を突っ込んで海底から何かを掬い食っていること。だから落ちても死なないし、ましてやスウェーデン人はわざわざこの一キロの橋を渡り歩いて水中に飛び込みに来ている方が沢山。自分も一回近くの海で3週間程前に泳いでみたが、3分程のdippingの15分かけて海に行くのは億劫だという結論に至った。このÖresund海峡であるが、ほぼ汽水で波もなければしょっぱくもない。スウェーデンはヨウジウオとトゲウオの研究が盛んだと聞いたことがある。